ドラマ『セクシー田中さん』問題における日テレの「社内特別調査チーム」について思うこと

ドラマ『セクシー田中さん』問題について、日本テレビは2月23日に「社内特別調査チーム」による調査を開始した。また今週26日の日テレ社長記者会見で、このことについても触れ、できるだけ早く真相解明をすると約束した。

私はこれまでプレジデントオンラインへの寄稿記事(以下参照)で、日テレの対応について不服を述べてきた。確かに初動は誤り、対策も遅かった。だが、今回「社内特別調査チーム」を設立したこと、真相解明を経営トップである社長の言葉で約束したことなどは評価したい

  • PRESIDENT Online,なぜ日本テレビは「セクシー田中さん」を改変したのか…元テレ東社員が指摘「テレビの腐敗」という根本問題—「すぐにドラマ化する」という風潮の危険性,2024/1/19,https://president.jp/articles/-/78338
  • PRESIDENT Online,だから日テレは「セクシー田中さん」を改変した…なぜか原作通りにはならない「テレビドラマのジレンマ」—テレビが越えられなかった「4項目」とは,2024/2/10,https://president.jp/articles/-/78572

そのうえで、気にかかる点がある。
検証チームは「社内」である。まず、なぜ「第三者委員会」にしなかったのかという疑問が浮かぶ。また、チームにおいては「外部有識者の力も借りる」として東京六本木法律特許事務所の早稲田祐美子弁護士や東京リベルテ法律事務所の國松崇弁護士の2名の弁護士が参加するという。
早稲田祐美子、國松崇、両氏の専門は知的財産権法だ。
そして社内メンバーは、コンプライアンス推進室長山田克也氏、顧問弁護士の谷田哲哉弁護士である。
この構成員も気になる。法律家ばかりだということだ。日テレは「法律的に問題がなかったのか」ということだけを真相究明だと考えているのではないかと勘繰りたくもなる。しかも、視点は「著作権違反があったかどうか」である。たとえば、コンプライアンス的な視点やもっと根本的な人的要素、組織としてのガバナンスといった構造上の問題についての考察はどう考えるのだろうか?
本来であれば、もっと広い視野や視点、視座で今回の問題は検証されるべきではないのか、と感じてしまうのは私だけだろうか?
皆さんの意見を聞いてみたいものだ。

「TVer」HPより

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