【今日の新聞から】「ラ・テ欄」に見る旧ジャニーズ事務所の衰退ーSnowManと相葉雅紀が裏番組でも平気な現実
今朝の新聞を見て、つくづく旧ジャニーズ事務所の衰退を実感した。18:30から放送の『それSnow Manにやらせて下さい 2時間半スペシャル』 (TBS系)と20:00から放送の『相葉ヒロミのお困りですカー?』 (テレビ朝日系)の裏被りの現実を目の当たりにしたからだ。
私が局に在籍していた頃は、ジャニーズ事務所はこういった自分のところの所属のタレントの被りを絶対に許さなかった。私が10年近く交渉し続けてやっと出演を承諾してもらった当時SMAPの草彅剛氏の出演のおりにも、ほとんどの番組枠にジャニーズのタレントが出演しているために、その張りどころ(放送する日時)の調整に時間がかかった。これは役所広司氏に旅人を引き受けていただいた『封印された三蔵法師の謎~シルクロード30,000キロに挑んだ男』というドキュメンタリーのナビゲーターを草彅氏が務めるというものだった。テレビ東京開局記念番組ですらそんな現状だったのだ。
これはジャニーズ事務所の当時の戦略のひとつで、それを忠実に遂行していたのが「女帝」と言われ強大な権力を持っていた飯島三智氏だった。しかし、もちろん、この飯島氏もいまはいない。
考えてみれば、ジャニーズファンにとってタレントが同時間帯に同時に出演しているとリアルタイムでは見られないので損失だ。また、タレント側にとってもそれはデメリットだろう。だが、問題はそれを芸能プロダクション側がコントロールしていたという事実だ。それほど当時のジャニーズ事務所が力が強かったかの証明だろう。
しかし、そのパワーバランスは性加害問題で崩れた。それを良しとするかどうかはさて置き、私の意見としては「こういった裏被りは、局の責任だ」ということだ。なぜ編成は調整をしないのか。局の編成たるもの、他局の裏状況はつかんでいてしかるべきである。知らなかったのであれば「職務怠慢」でお粗末だが、知っていて「裏被りを良し」としたのであれば、あまりにも「視聴者不在」の判断だと言わざるを得ない。
はっきり言おう。これは事務所の問題ではない。局の責任である。
こういった局の「アラ」がここのところ目立っている。構造的欠陥や古い体質、視聴者不在の考え方ゆえの「ほころび」が出てきている。こういったテレビ局の現状に今後もメスを入れていきたい。
そこには、「テレビは頑張らなきゃダメだろう!」といったような活を入れたい気持ちがあることを付け加えておきたい。