【今日の新聞から】猛暑のコストが世界で53兆!鉄道も運休やトラブルが続くー酷暑対策をしないのは「人権侵害」

酷暑が職場にもたらすコストが、日本円にして世界でおよそ53兆円にも至るという報告が国際労働機構(ILO)から出された。働く人の体調悪化などで収入が失われたり、治療費が増えたりするためだという。
日本の鉄道では気温上昇が原因で運休や運行遅れなどのトラブルが増加している。猛暑のため線路がゆがんだり、熱で信号機や踏切、分岐器が壊れたりすることが多発している。
以上のように、猛暑による「ヒト」や「モノ」のトラブルが「カネ」の消失を生み出している。そう聞くと、普通は「じゃあこれ以上、カネを失わないように節約しなければ」と考えるところだが、それでは本末転倒だ。そんな意味においては、日本はまだまだ「酷暑対策の後進国」と言えるのではないだろうか。酷暑、猛暑であるからこそ安全対策を万全にすることがかえってコストを削減することにつながると指摘したい。
中国では気温40度を境に屋外活動を停止・制限している。中近東は日中の屋外作業を禁じ、ギリシャでは身体の深部の温度が38度を超えないようにする決まりがあるという。熱の身体への負担は、熱中症だけでなく肺や腎臓などの健康被害につながる。その対策や改善を図らないということは、もはや「人権侵害」であるという認識を企業だけでなく、社会全体が持つことが大切なのだ。

「毎日新聞デジタル」より

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です