【活動報告】桜美林大学のゼミ生がISMIE2025に作品を出展――映像が映し出す“死と不安”、そして“自己探求”
日本映像学会・映像表現研究会が主催する「インターリンク:学生映像作品展[ISMIE]2025」が今年で第19回を迎えた。本学・桜美林大学からも学生が映像を出展し、1月11日㈰10:00~13:00、担当教員としてシンポジウムに参加。
出展したのは韓国からの留学生、コン・イルさん。作品タイトルはドラマ『人は思い込みの中で生きている』。この映像の面白さは、「同じ物事でも人によって見え方が違う」という現象を、アングルやカット割りなど撮影手法の違いで表現しているところ。よく考え抜かれていて、正直うなった。
そしてさらに本学・桜美林大学の利点は、同じ芸術文化学群のなかに演劇・ダンス専修という俳優志望の学生もたくさんいるため、学内で演者の調達ができることだ。演技力もなかなかのもので、監督がお目当ての俳優に出演交渉をするというのも、映像制作の大事な一過程として、学びとなっている。
ISMIEには全国から多くの大学が参加している。愛知県立芸術大学、イメージフォーラム映像研究所、大阪芸術大学、大阪電気通信大学、九州産業大学、京都芸術大学、京都精華大学、尚美学園大学、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]、成安造形大学、玉川大学、東京工芸大学、名古屋学芸大学、日本大学、文教大学、北海道教育大学など、映像教育に力を入れる、そうそうたる顔ぶれだ。
どの参加校の作品も素晴らしく、力作揃いだった。年々、学生たちの映像制作能力は向上していると感じた。公式サイト(1月31日㈯までの限定で、作品が見られます)
☛https://sites.google.com/view/ismie2025
今回参加して強く感じたのは、学生作品に「世相」がくっきり映し出されていること。特に目立ったのは次の二つだった。
1. 「死や老い」「孤独」「不安感」をテーマにした作品が多い
(「光と影」「正と負」といった二項対立も含む)
2. 自分や身近な人(祖父母など)を扱ったセルフドキュメンタリーやアイデンティティ探求の作品が多い
1は、映画界でホラーが流行していることと共通していて、VUCAの時代の“不確実性”を象徴している。2は、不確実な未来に対して、確かな過去や血縁に拠り所を求める心理の表れだろう。
この二つは地続きだ。つまり、若者たちは「自己探求=パーソナルナラティブ」に強い指向性を持っている。そしてそれは、恐怖の根源が「自分の存在そのもの」にあるという現代ホラーの構造と見事に一致する。
学生映像は、時代の不安と自己探求の交差点に立っている――それが今回のISMIEで最も強く感じたことだ。
コン・イル『人は思い込みの中で生きている』より


