【今日のタブチ】“メンター親”が「就活」を動かす――《オヤオシ》時代の到来
今朝の新聞で初めて知った言葉がある。「オヤオシ」だ。
就活において企業が内定時に親の意向を確認する「オヤカク」は以前から知られていたが、最近は親が「この企業がいいんじゃない?」と勧める「オヤオシ(親推し)」という現象があるらしい。
「推し」という言葉は、もともとアイドルファンの間で「自分が応援するメンバー」を指す言葉として使われ始めた。2000年代後半にはAKB48などのアイドルグループの人気とともに定着し、やがて“推し活”という言葉が生まれた。そこからアニメやゲームのキャラクター、韓国アイドル、さらにはスポーツ選手や声優にまで広がり、SNSで「#推し活」がトレンド入りすることも珍しくない。今や「推し」は単なる趣味の領域を超え、就職活動にまで影響を及ぼしているのだ。
だが、これは単なる就活事情の変化ではなく、親と子どもの関係性の変化から来ていると考える。
以前このブログでも紹介した『Z家族』という書籍を再度取り上げたい。この本は、親が子どもの人生に積極的に関与する現代の家族像を描いている。進学、就職、交際、さらには趣味にまで親が“メンター”として関わるケースが増えているのだ。
我が家の食卓でも、「あの友だちはどう?」とか「あの人は〇〇な感じ」という話題が出ると、主に母親である妻がやんわりと助言をする。異性に関しても、子どもから報告があると「そんなときはこうだよね」とコメントする。そして驚くのは、子どもがその意見に反発しないことだ。私の世代なら「勝手なこと言うな」と批判的になったものだが、今の子どもたちは素直というか、従順というか、意外と「そうだよね」と受け入れている。
この例からもわかるように、就活において親の助言は重要視されている。それを企業側も意識しながら情報発信をしていくという必要性はますます高まるだろう。特に中小企業や新興企業は、SNSをうまく活用して業務内容や社内の雰囲気を丁寧に伝えなければ、就活生の選択肢に入らないという指摘は印象的だ。
親の影響力を無視できない時代、企業は採用広報を“親目線”でも設計する必要がある。企業側も大変な時代になった。
「東京新聞デジタル」より


