【今日のタブチ】衆議院総選挙にかかる費用はいったいいくら?――赤字“1000兆円超”の高市政権が掲げる「責任ある財政」の実像
昨今ニュースを眺めていると、高市内閣が解散に踏み切り、総選挙に向かうという報道が飛び交っている。
だが、そもそも皆さんはこの総選挙にどれだけの費用がかかるか、ご存じだろうか。
①7億円
②70億円
③700億円
答えは③だ。
実際、2021年の衆議院総選挙には約678億円の国家予算が計上されている。
さらに2024年の総選挙では、政府が予備費から815億円を支出すると決定しており、規模としては既に700億円台後半に達している。
つまり総選挙は、1回行うだけでほぼ「700〜800億円」が消えていくイベントだ。
私たち国民は、この「700億円」という数字にもっと敏感になるべきだ。
一方で、今の自民党と維新の連立政権は「衆議院議員の定数削減」を掲げている。
現行465議席から45議席以上減らすという“1割削減案”で、すでに双方が合意している。
その理由として彼らが挙げるのは、「経費削減」だ。だが、本当にそれは“合理的な削減策”と言えるのだろうか。
議員ひとり当たりにかかる年間の歳費・秘書給与・活動経費などは、政治側の説明では「年間数千万円」とされている。仮にこの“数千万円”を最低ラインの3,000万円と置いて計算してみると、45議席削減で年間135億円の削減にしかならない。
もちろん135億円は小さな金額ではない。だが、総選挙を1回行うだけで700〜800億円が消えるという規模の前では、その削減額はあまりに小さい。
総選挙1回分の費用は、定数削減によって毎年コツコツ削る額の5〜6年分に匹敵する。
ここに、この施策がはらむ大きな矛盾がある。
国債残高がすでに“1000兆円超”という赤字政府がやることか?
高市氏は政権発足以降、「責任ある財政運営」を掲げ、財政規律の維持を強調してきた。ところが、その“責任ある財政”という看板と、今回の定数削減によって生じる効果額の小ささを並べてみると、あまりに釣り合いが取れていない。
本当に国家財政の健全化が目的なら、まず見直すべきは選挙そのものの実施コストではないのか。
選挙のDX化、掲示板の簡素化、郵送費の削減、投票所運営の効率化──まだ多くの改善余地があるのに、なぜ“議員の数”だけが標的になるのか。
もちろん、政治家自らの身を削るというパフォーマンスは国民にとってわかりやすい。だが、費用対効果という観点では合理性を欠く。
それどころか、定数削減は地方の声を弱め、少数政党の議席獲得をさらに難しくし、結果として「民意の反映」を狭める危険性すらある。
これを「改革」と呼ぶには無理がある。
政治には、もっと正直であることが求められている。
定数を減らしても“節約”にはほとんどならない。それは数字を見れば誰でもわかる。
それでもこの政策が推し進められる背景に何があるのか──そこを見つめることこそ、有権者である私たちに課された問いなのだと思う。
「テレ朝NEWS」より


