【今日のタブチ】「食ネタ」の新聞から見えてきた新開発の素晴らしさ――“世界初”のウナギと“食べごろ”アボカド

私は食いしん坊だ。62になってもその食欲は衰えない。幼少期にひもじい思いをした覚えもないのだが、自分でもなんだか“食い意地”が張っていると感じることがある。

そんなわけで、今朝の新聞では2つの“食にまつわる”トピックに目が行った。

まずは、「世界初!完全養殖ウナギ販売」というニュースだ。
これは、卵から人工的に孵化させたウナギを親に育て、さらにその卵から次の世代を育てるという、いわば“天然資源に頼らない循環型”の養殖技術である。ウナギ養殖大手の山田水産が手がけ、2026年5月29日から一般向けに試験販売される。完全養殖ウナギが一般消費者に販売されるのはこれが世界初だという。
価格は冷凍かば焼きで1尾4,500円前後。確かに気軽に買える値段ではない。
だが、この値段も徐々に落ち着いてくるのではないだろうか。それよりやはり、「完全養殖に成功」したことが快挙だ。

「すごい!」と驚くだけでなく、見逃してはならないのが、その開発の背景だ。そこには、長年にわたる地道な研究と改良の積み重ねがある。
もともとウナギの完全養殖は2010年に研究機関で成功していたが、問題はコストと量産だった。稚魚1尾あたり4万円もかかっていた生産コストは、餌や水槽の改良などによって1800円程度まで下がったという。それでも天然の数倍だが、それでもここまで下げたのは並大抵の努力ではない。
しかも山田水産は研究機関の技術を引き継ぎ、年間1万尾以上の人工シラスウナギの生産に成功するまでに至っている

ウナギは私の幼いころには、めったにお目にかからなかった。食卓に出てきても、それは冠婚葬祭の場であったりして、「大人の食べもの」のようなイメージがあった。だが、いまはそうではない。そんな食の変化にも、こういった企業の涙ぐましい努力があるのだと思うと、ありがたくいただきながら頭が下がる。

もう一つは、河北新報の記事だ。見た目だけで判断しにくいアボガドの食べごろを、切ることなく予測する技術秋田県立大生物資源科学部の学生が開発した。
これは、アボカドの皮に光(可視光や近赤外光)を当てて反射率を測定し、そのデータから現在の熟度を割り出し、さらに保存温度と組み合わせて「あと何日で食べごろになるか」まで予測するというものだ。
実験では100個以上のアボカドを使い、熟度を10段階で評価しながらデータ化している。
アボガドは知らないうちに食べごろが過ぎて廃棄することが多いという。フードロスの観点からもとても素晴らしい開発だと感じた。
そして何より、こういう発想の学生がいることが、たくましくも思った。
将来は、スーパーでアボガドを手に取り、表面を真剣な顔で押して確かめる人もいなくなる日が来るのかもしれない。

それはそれで、少し寂しい気がするのは私だけだろうか。

「日テレNEWS NNN」より

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