【今日の新聞から】メディアが事件を報道する際に、あえて「国籍」をあげるのはなぜなのか?-「グエン案件」というヘイトワードに覚える違和感

今朝の新聞で、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、特定の民族・国籍の人間を一緒くたにして悪党扱いすることへの危惧を述べていた。「グエン案件」という言葉があることも知った。ベトナム人にグエンという名前の人が多いためつけられたネットスラングで、ベトナム人が起こす犯罪事件を指してそう言うらしい。被災地に窃盗団が登場すると「在日案件」や「中国人の仕業」などと憶測がネットに書き込まれたりするヘイトと同じ構図である。
中川氏は、それらは円安・不景気などによって日本人の生活が苦しくなる矛先が外国人に向かっていると指摘しているが、これに関しては私はそうとも言えないと考えている。なぜならばこういったことは昔からあるからだ。まず大きな原因としては日本人の島国根性から来る排他性があるだろう。もちろん、生活苦がそれに拍車をかけているかもしれないが、それが直接的な原因ではない。
そして同じ新聞の社会面に目を移してみる。するとこういう表記があった。


「関東近隣で相次いだ強盗事件を巡り、栃木、群馬、長野3県警の合同捜査班が窃盗未遂容疑でベトナム国籍の男2人を逮捕した事件でー」


このなかの、「ベトナム国籍の男」という部分だが、この後の文中には「ホアン・フー・ホア容疑者」「マイ・バン・シー容疑者」という明らかにベトナム人とわかる名前が出てくるのにもかかわらず、わざわざ最初に「ベトナム国籍」と表現している。例えばこれが日本人だったらわざわざ「日本国籍の」と記すだろうか。
いや、そんなことはないだろう。
海外で何か大きな事件や事故が起こったとき、必ず「日本人はいませんでした」や「日本人は〇人いました」のような情報が添えられるが、この傾向に対して外国の人たちは違和感を抱くという。このように日本人は「カテゴライズ」や「ラベリング」をしたがるのだ。
あえて「ベトナム国籍」と示すことで知らず知らずに「刷り込み」をされているのだ、ということを認識しながら、私たちはメディアに接する必要がある

「Yahoo!ニュース」より

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