【今日のタブチ】2026年7月クール民放ドラマをぶった斬り!――過去作依存、設定過剰、そしてハイブリッド乱発という悪癖

民放各局の7月クールドラマ情報がほぼ出そろったが、その全体像にまず違和感が残る。
3年前に放送された、中央アジアの架空国家を舞台に、商社マンでありながら諜報員でもある人物の活躍を描いたTBS『VIVANT』の続編が話題となっているが、全体的には、正直言って始まる前から“中だるみ感”という不穏な気配が濃厚に漂っている。

まず『GTO』だが、いい加減にフジテレビは「過去作頼み」から離れるべきではないかと、呆れを通り越して危機感すら覚える。『あぶない刑事』や『東京ラブストーリー』で食傷気味になっていたところに、「またもやか」と思わざるを得ない。フジテレビが抱える構造的な問題と無関係とは到底思えない。
清水社長が「フジテレビは生まれ変わります」と言っても、これでは言行不一致どころか、看板倒れとすら言われかねない。よほどカネがないのか、アイデアがないのか――あるいは新しいことに挑戦する空気そのものが社内にないのか。訝しむというより、「本当に大丈夫なのか?」と本気で心配になるレベルだ。

主役陣のラインナップを見ても、パッとしない。正直言って、決定打に欠ける。目玉となる人材が配信主導の大型企画に吸い上げられている印象が拭えない
結局のところ、地上波は旧Jに頼るしかないのか。あるいは“変わり種”か“ベテラン”に頼らざるを得ないのか。GACKTを主演の弁護士役に据えたのには、思わずのけぞった。
総じて、日本の芸能界の寡占化と制作環境の変化による人材不足が、キャスティングにあからさまに露呈している。

そしてさらに言えば、設定の“おこちゃま”ぶりにはあきれて言葉を失うレベルだ。
事故後に帰宅すると“自分になりすました他人”が生活していて、妻は自分を忘れている?
ある女性を25年間想い続ける男?現実感はあるのか。
殺人犯と“普通に会う”前提の恋愛劇、暴走族トップが“転生して女性アイドル”になる、失踪した妹のDNAが“200年前の人骨と一致する”――奇抜であれば何でも成立すると本気で思っているのかと疑いたくなる。
夫が妻に浮気を“依頼する”など、倫理と人間関係が歪んだ設定も露骨に増えている。視聴率や話題性のためなら何でもありなのか。放送文化として最低限守るべき線を、すでに超えてしまっている。

テレ東深夜のドロドロ復讐系がマイペースなのは理解はするが、『刑事、ふりだしにもどる』でタイムリープものはやったばかり。かつて私がいた頃は「同系統の設定を続けるのは恥ずかしい」という最低限の矜持があった。今は配信への展開ありきで、差別化への意識が薄れているように見える。古巣として情けない。

今クールのトレンドは、一言で言って「ラブサスペンス」という安直な掛け算だ。
ラブだけでは弱い。そこにサスペンスを掛け合わせ、さらに奇抜な設定を盛る。あるいは登場人物の属性を極端にする。――何でも“ハイブリッド”にすれば成立するほど甘くはない。
そう感じているのは、もはや制作者ではなく確実に視聴者の側だ

「カンテレ」HPより

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