【活動報告】『ぼくらがAIBOをつくった』の“熱量”に圧倒された――ワクワクが止まらない一冊

私は毎日新聞で月一の書評欄を担当している。「今週の本棚・話題の一冊」という欄だが、5名の評者で回しているので、5回に1回、月一少しというサイクルで順番が回ってくる。
この書評欄、とても自由に楽しく書かせてもらっている。毎日新聞の担当の方が「興味を持った本を自由に選んで大丈夫です!」と言ってくれるので、私はその厚意に甘えて、書店やネットで気になる本を見つけては、まさに“気の向くまま”読みまくり、「これだ」と思えた一冊について書いている。
研究フィールドがそちら方面なので、どうしても芸術やエンタメ、メディアなどに目が向きがちではあるが、社会の問題や現象に警鐘を鳴らすような内容にも、つい琴線が触れてしまう。

そして今日の書評に選んだのは、黒川文雄氏著の『ぼくらがAIBOをつくった ソニー・ロボティクスの挑戦』だ。この本、とにかく最初から最後までワクワクしっぱなしだった。
一気読み必至! 私が書いた文章を読んで、毎日新聞の方が「『プロジェクトX』のようなワクワク感」と表現したが、まさにその通り。AIBO開発に挑んだ技術者たちの思考と熱量に迫る、とても良質なノンフィクションだった。特に私は、イラストレーターの空山基氏の下りがおもしろかった。
最近はタレントも多彩になり、書籍を手軽に出せる時代だ。だが、この本は“手間暇かけて”書かれたものだと感じた。綿密なインタビューを重ね、「なぜ成功したのか」だけでなく「なぜ失敗したのか」ということまでしっかりと書ききっているのは、黒川氏が長年、ゲーム企画開発のアドバイザーとプロデュースを手掛けてきたことに無関係ではないはずだ。
以下のサイトは有料だが、初回は99円で読める。ぜひ読んでみてほしい。
https://mainichi.jp/articles/20260228/ddm/015/070/022000c

来月はどれを選書にしようか……いま、魅力的な本たちに囲まれ、悩みに悩んでいる日々である。これもまた、“楽しきかな人生”である。

毎日新聞デジタル「今週の本棚・話題の一冊」より

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