【今日のタブチ】なぜ学生たちは「ほうとう」をテーマに選んだのか――プロでは思いつかない発想に、“目から鱗”のゼミ合宿

昨日に続いて、石和温泉でのゼミ合宿の話である。
先ほど早朝からのロケ撮影から宿へ帰ってきた。学生たちはこれから、おそらく夜を徹して明日朝まで、編集、テロップやナレーション・音楽入れなどの作業をおこなう。

今回の映像制作で、学生たちが選んだテーマは「ほうとう」だった。

山梨と聞けば、多くの人がほうとうを思い浮かべるだろう。私自身もそうだ。しかし興味深かったのは、テーマを選んだ学生たち自身が、実はほうとうをよく知らなかったことである。
最初は単純な興味からのスタートだったようだ。
「山梨に来たからには、ほうとうを取材してみたい」そんな思いで取材先に話を聞いて回るうちに、学生たちはある現実を知ることになる。
地元の若い世代の中には、以前ほどほうとうを食べなくなっている人も少なくないというのだ。
もちろん、ほうとうは今でも山梨を代表する郷土料理である。しかし、その一方で食生活の変化やライフスタイルの変化の中で、かつてほど日常的な存在ではなくなりつつあるという話を耳にした。
それを聞いた学生たちは驚いた。

「山梨といえばほうとう」というイメージを多くの人が持っている。それにもかかわらず、その食文化が少しずつ変わりつつあるのであれば、それは単なるグルメの話ではない。地域の文化や伝統をどう次世代へ受け継いでいくかという問題でもある。
そこで学生たちは、「ほうとうの魅力紹介」ではなく、「ほうとうという食文化の今」を描こうと考えた。
私はこれが面白い発想だと思った。

私たちのように映像制作の経験を積んだ人間であれば、どうしても「みんなが知っているほうとうの魅力を紹介しよう」という構成を考えがちである。
しかし、学生たちは違った。
そもそも自分たちがよく知らないのだから、その知らない視点を生かそうとしたのである。
そしてさらに興味深かったのは、演劇・ダンス専修の学生を試食レポーター役に起用したことだ。彼女たち2名もまた、ほうとうを本格的に食べるのは初めてだった。
だからこそ、台本どおりのコメントではなく、その場で感じた驚きや発見をそのまま引き出そうと考えたのである。
「思ったより食べ応えがある」
「野菜がたくさん入っている」
「こんな味だったのか」
グルメ番組のレポーターのようにうまく取り繕った美辞麗句より、そんな率直な感想の方が、実は視聴者にとっては共感しやすいのかもしれない。
これは、私だったら思いつかなかった発想である。

今回の合宿では、完成した作品以上に、こうした学生たちの考え方の変化を見ることが面白い。
取材を通して課題を発見し、その課題をどう映像で伝えるかを考える。その過程こそが学びなのだと思う。
果たして学生たちは、「ほうとう」というテーマを通じて、どんなメッセージを描き出すのか。
完成が楽しみだ。
Voicyも公開中!今日も石和温泉からリアル生中継!!
今日のブログの内容について、さらに詳しく話しています。ぜひお聞きください!
https://voicy.jp/channel/1027821/8159818

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です