【今日のタブチ】代々木署が原宿署に統合――「ロボコップ」登場で垣間見えた、警察署の“不気味な”未来
今朝のブログは、東京都ですらも警察署が統合され減っていることを取り上げたい。
代々木署が原宿署に統合されるという記事を読んだ。都内での署の統合は1960年以来で、102から101に減る。地方で過疎などに伴う統合は珍しくないだろうが、人口増が続く東京での統合はなぜなのかと疑問に思った。
だが、記事を読んで腑に落ちた。地価の高騰だ。それに加えて建物の老朽化。これは治安や犯罪の話というより、都市のインフラをどう維持するかという問題なのだと気づかされた。
移転をするにも土地がなかったり、高かったり。建て替えのお金もバカにならない。
もう一つの理由は、なり手が不足して警察官が減るのではないかという懸念だ。年齢層で最多の40代前半が大量退職するのは15年後だ。それに備えての統合の意味もあるのだろう。
場所のスリム化の一番の近道は、出勤する人を減らすことだ。その次は、“定席”をなくすこと。
私がテレビ局時代、コロナをきっかけにフリーアドレス化が進んだ。それまであった自分の席をなくし、どこでも仕事ができるようにした。便利なように思えて、聞こえもいいが、私は大嫌いだった。
テレビ局は外からの客も多い。制作会社やプロダクションのマネージャーがふらっとやって来て営業をしたり、タレントの売込みをしたりする。そんななかから企画が生まれたり、コミュニケーションの場が広がっていった。フリーアドレスは、誰がどこにいるかわからない。外から来た人は「久々に田淵に挨拶に行こうか」と思っても、探せない。
組織の内部だけで完結する仕事なら合理化も成り立つが、外部との偶発的な接点に価値がある職場では、居場所の不在はそのまま関係性の希薄化につながる。
同じようなことが、警察署でも起こるのではないかと心配だ。
警察こそ、市民や困っている人と顔を突き合わせて、コミュニケーションを取りながら問題や事件を解決する仕事だろう。だが、もし仮に警察官がフリーアドレスや在宅勤務推奨とかになると、そんな“密であるべき”仕事も疎かになるのではないか。私はそう懸念する。
今朝のニュースには、中国の複数の都市でAIを搭載したロボット警察官が登場し、話題を集めているというものもあった。
公安当局は、1980年代にヒットした映画にあやかって「ロボコップの登場だ」とアピールしているというが、この話題が都の警察署統合の件と結びついてしまった。
ロボットには自分の机や席は必要ない。いつか、日本の警察署も、訪れると閑散としていて、倉庫に格納されたAIロボット警察官が並んでいるという光景が目に入るようになるのだろうか。
合理化の行き着く先に、人の姿が見えなくなる。そんな想像をするとうすら寒くなるのは、私だけではないだろう。
「産経ニュース」より



