【今日のタブチ】「私の青春が消えてしまった」と感じたのはなぜか?――20年ぶりに訪れたウブドゥの棚田が“アミューズメントパーク”になっていた

ウブドゥを訪れた人も多いのではないだろうか。
バリ島中部に位置するウブドゥは、かつて芸術と農村文化の町として知られ、多くの観光客を魅了してきた。私も昨日、20年以上ぶりにウブドゥを訪れた。

しかし・・・素朴な農村のイメージのウブドゥが激変していて、驚いた。
かつては、道端に車を停めて広大な段々畑を自由に眺めていたものだが、いまは、テガララン棚田という観光地名が付き、道端のビュースポットにはお土産物屋やレストランが立ち並んでいる。そして、その店々に入らないと、180度完璧な棚田のパノラマを拝むことはできない。もちろん、その分の料金はしっかりと取られるか、買い物や食事をすることになる。
そして、日本で「人気のスポット」と事前に調べて、ランチに「CretyaUbud」を訪れた。ここは入場するだけで、一人70,000ルピア、約700円がかかる。
そこに広がっていたのは、巨大なプールに溢れかえるような人の群れ。そのプールからは段々畑の絶景が見えるのだが、どうも興ざめだ・・・。レストランゾーンは別にあって、そこからも景色が見られるが、棚田のところどころには巨大な神様の石像が建っている。極めつけは、巨大なブランコだ。ブランコに乗って両側からスタッフが振り子のように揺らしてくれる。眼下に段々畑の絶景を見ながら、空中を飛んでいるような感覚が味わえるのだろう。人気で行列ができている。
そこは、すでに巨大な“アミューズメントパーク”だった

もちろん、バリの人々にとって棚田の絶景は観光資源である。それを最大活用することに関して、私たちほかの国の観光客が文句を言う筋合いも権利もない。だが、地元の人に聞くと、その商売をしているのは、同じインドネシア人でもジャワからやってきた人だったり、中国やロシアの資本だったりするケースも少なくないという。実際のところどの程度なのかは私には分からないが、少なくとも地元の人々の中には複雑な思いを抱いている人もいるようだった。

もちろん、20年も経てば変化するのは当然だ。観光資源を活用し、地域が豊かになること自体を否定するつもりもない。
だが、かつて何の仕切りもなく自由に眺めることができた棚田が、入場料を払い、レストランやショップを通して鑑賞する「商品」になっていた光景には、どうしても複雑な思いを抱いた。

隔世の感は著しい。
そして私は、ウブドゥが変わったこと以上に、その風景の中にあった自分自身の青春の記憶が消えてしまったことに、寂しさを覚えたのである。

【今日のタブチ】「私の青春が消えてしまった」と感じたのはなぜか?――20年ぶりに訪れたウブドゥの棚田が“アミューズメントパーク”になっていた” に対して2件のコメントがあります。

  1. RK より:

    思い出の場所が変わってしまうのとても悲しいですね(T_T)
    でも心の中の記憶は、何者にも荒らされず永遠に残るような気もします♪
    ・・・今リロードしたら空港で足止めとのこと!
    なるべく早く無事ご帰宅できますように☆彡
    Voicyも毎回楽しく聴かせていただいております♪

    1. 田淵 俊彦 より:

      RK様
      ありがとうございます。
      何とか自宅に着きました・・・。

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