【今日のタブチ】「選手は自ら成長する」 松井秀喜新監督の言葉に、本学桜美林大学田淵ゼミ生たちの姿を見た
今朝の新聞のスポーツ面を開いて、一番目を引いたのはやはりこのニュースだった。
巨人軍の新監督に松井秀喜氏が就任した。長嶋茂雄監督の背番号「90」を受け継ぎ、「巨人に新たな黄金時代を」という大きな見出しが躍る。多くのファンは、ゴジラ松井がいよいよ巨人軍の指揮を執ることになった、その事実に胸を躍らせていることだろう。
正直言って、私はそんなに熱狂的な野球ファンでもない。だが、やはり今日はこのトピックだろう。
しかし、今回の会見で印象に残ったのは就任そのものではない。それは松井新監督のこんな言葉である。
「選手は自ら成長していく」
私はこの一言に思わず目を留めた。
監督が育てるのではない。監督が変えるのでもない。選手自身が成長する。監督の役割は、そのための環境を整えることだという考え方である。この発想は、ある意味で近年のプロスポーツ界らしい考え方なのかもしれない。しかし私はこの言葉を読んだとき、野球のことよりも先に大学のゼミ生たちの顔を思い浮かべていた。
私も大学で映像制作を指導している。学生たちは日々、企画書を書き、撮影をし、編集をし、時には発表を行っている。
もちろん、技術的な指導はする。構図の考え方も教える。取材の方法も話す。編集ソフトの操作も説明する。しかし、それだけで面白い映像が作れるようになるわけではない。
実際には、やってみる。失敗する。撮り直す。また失敗する。そして少し成長する。その繰り返しである。
サントリー創業者の言葉として知られる「やってみなはれ」の精神に近い。挑戦しなければ失敗もしない。しかし、失敗しなければ学びもない。映像制作というのは、とりわけその傾向が強い分野だと思う。
教員が先回りして「それは失敗するからやめなさい」と言えば、確かに効率は良くなる。だが、それでは学生自身の力は育たない。
だから私は、ときに遠回りに見えても学生たち自身に考えさせる。
まずやってみる。結果が出なくても、そこから考える。そのプロセスこそが成長につながると信じているからだ。
松井新監督の言葉には、そんな教育観との共通点を感じた。
思えば松井氏自身もそうやって育ってきた。
星稜高校時代の5打席連続敬遠。巨人での挫折と成長。そしてヤンキースでの世界挑戦。誰かに正解を与えられた人生ではなかった。自ら挑戦し、自ら壁にぶつかり、自ら乗り越えてきた。だからこそ「選手は自ら成長する」という言葉に実感がこもるのだろう。
今の時代、指導者には答えを持っていることよりも、挑戦できる環境を作ることが求められているのかもしれない。
長嶋監督のようなカリスマ。原監督のような統率力。それももちろん魅力だ。
しかし、松井新監督は、少し違うタイプのリーダーなのではないか。前に立って引っ張るというより、後ろから支える。自分が主役になるより、選手が主役になれる舞台を整える。そんな新しい時代の監督像が見えてくる。
そして、その姿は私たち教育者にも多くの示唆を与えてくれる。
学生は教員が育てるものなのか。それとも学生自身が育つものなのか。私は後者だと思っている。
だから今日もゼミ生たちはカメラを持って現場へ出る。
失敗するかもしれない。思うような作品にならないかもしれない。それでも構わない。まずはやってみることだ。
松井新監督の「選手は自ら成長していく」という言葉を読みながら、私は改めてそう思った。
今日のVoicyは松井巨人軍新監督の言葉にビビッと反応しました。Try&Errorの教育法、あなたの実生活にも生かせるのではないでしょうか?
#088 松井秀喜新監督の「選手は自ら成長する」に教育者として共感した理由
https://voicy.jp/channel/1027821/8334058

「スポニチAnnex」より

