【今日のタブチ】【お知らせ】なぜ定員30名の市民大学講座に75名も集まったのか――「ドキュメンタリーが“世界の見え方”を変える」明日開講

今年も、さがまちコンソーシアムが主催する市民大学の講師を担当させていただくことになった。
今回は「ドキュメンタリー論」をやることにした。「ドキュメンタリーが“世界の見え方”を変える――常識を壊す思考の冒険(前編)」と題して、明日7月11日㈯から4回にわたって開催する。

「ドキュメンタリー論」は桜美林大学の授業でも人気が高い科目だ。今年の履修者数は70名近くに達し、私の所属する芸術文化学群だけでなく、リベラルアーツ学群や教育探求科学群からも学生が履修している。さらに芸術文化学群の中においても、音楽専修などの学生も受講する。音楽などの世界においても、ドキュメンタリー的な思考が大切になるということを、一番敏感に感じ取っているのがいまの若者たちなのだ。

そして市民大学の方だが、当初30名ほどを予定していた。しかし、ありがたいことに、受付を始めた途端30名に達し、コンソーシアムから「50名に増やしていいか」と聞かれた。そしてそのあとも参加者が伸び続け、結果75名というとても多くの方にご参加いただけることになった
私も驚いたのだが、市外からの参加者の方も75名中6名いるという。本来は「市民大学」なので、相模原市・座間市エリアの方々のための講座なのだが、「受けたいと仰ってくださっているのであれば、それはありがたいことではないか」と考え、コンソーシアムにお願いして、私の願いを適えてもらった。
以下は、講座内容に関するHPの抜粋情報である。https://sagamachi.jp/course-shimin/442

<概要>
37年間にわたり第一線でドキュメンタリーを制作してきた講師が、貴重な映像を手がかりに、私たちが無意識に抱えている“常識”や“思い込み”を静かに、強く、揺さぶります。
この講座で得られるのは、ただ映像を鑑賞する時間ではありません。「世界はこう見えるはずだ」という固定観念をいったん壊し、ものごとの本質を捉え直す“アンラーン(学び壊し)”の思考体験です。
情報があふれ、不確実性が高まるVUCAの時代――必要なのは、新しい知識の詰め込みではなく、見え方そのものをアップデートする視点の変化かもしれません。ドキュメンタリーが持つ“世界のリアルを映し出す力”を通して、自分の中の「当たり前」を問い直す旅へ、出かけましょう。
<講義内容>
①7月11日(土)紀行ドキュメンタリー①ヒマラヤ秘境を撮る:現地到達の困難と極限現場の過酷さ
②7月18日(土)紀行ドキュメンタリー②標高・気候・文化…“未知の地”をどう見せるか:映像で「旅感」を表現する、その技法と発想
③7月25日(土)経済ドキュメンタリー①『ガイアの夜明け』取材:カネが動く現場の重圧と取材先への交渉術
④8月2日(日)経済ドキュメンタリー②企業利益と放送文化の狭間で:経済“リアル”を映す作法とドキュメンタリー思考のまとめ
そして今回の皆さんの関心の高さを知って、なぜいま、学生などの若い人もそして社会人の方々も「ドキュメンタリー論に興味があるのか」を考えてみた。

いまドキュメンタリーへの関心が高まっている背景には、情報そのものへの不信感があるのではないか――私にはそう思えてならない。

SNSを開けば、瞬時に大量の情報が流れてくる。だが、その一方で「何が本当なのか分からない」という感覚を、多くの人が抱えているようにも見える。AIによって文章も画像も動画も簡単に作れるようになった時代だからこそ、人は逆に「現場で何が起きていたのか」「その場にいた人は何を見たのか」という一次情報に価値を見出し始めているのではないだろうか。

ドキュメンタリーの本質は、単なる事実の記録ではない。現場に足を運び、人に会い、想定外の出来事に向き合いながら、「本当に見るべきものは何か」を探し続ける営みだ。その過程で、私たちが当たり前だと思っていた常識や価値観は、しばしば覆される。
今回の講座でお話しするのは、ヒマラヤの秘境取材や『ガイアの夜明け』での経済取材といった、私自身が37年間にわたって経験してきた現場の話である。しかし、本当にお伝えしたいのは取材の裏話ではない。その現場で私自身が何度も経験してきた「見えていたつもりの世界が、実はそうではなかった」という体験である。

75名もの方々が参加を希望してくださったことは、そうした“世界の見え方を変える体験”への関心の表れなのかもしれない。明日から始まる4回の講座が、参加者の皆さんにとって、自分の中の「当たり前」を少しだけ問い直す機会になればうれしい。
私自身もまた、皆さんとの対話を通じて、新たな発見を得られることを楽しみにしている。
さて、75名の皆さんとどんな「思考の冒険」ができるのか。まずは明日の第1回を迎えたい。



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